大人の社会科見学‐ちょっと変わった50代のインターン

大人の社会科見学‐ちょっと変わった50代のインターン

 ここ数年、1週間のゴールデンウイークはフィリピンのクラークにある英語学校に留学していた50代サラリーマンの私。なぜフィリピンのクラークかというと、日本のエージェントに勧められ、しかも価格が安いというのが理由でした。ただ今年2019年は史上最長のゴールデンウイーク。今までと違うことをしたいと思い自分で学校を探すことにしました。

 実は去年より会社の新規事業部に配属され、東京にビジネスホテルを建設するにあたって、私は今まで経験のない飲食関係の立ち上げ責任者に任命されました。そこで思い立ったのが、1週間という短い期間で英語が勉強でき、ホテルの研修(出来ればレストラン)をアレンジしてくれ尚且つ、日本人経営(細かいニュアンスが通じる)の英語学校をこの4月の上旬に探しだすという、無謀な条件でインターネット検索することにしました。そして、奇跡的(ホントに)出てきたのがスービックにある、i YES Language Schoolという初めて名前を聞く学校でした。

 場所はマニラから車で3時間前後の海岸沿いのリゾート地で、経済特別区に指定されているスービックというゲートがある安全な地域です。ちなみにこのエリアでは、安全な証として、他の地区ではあまり見られない光景のひとつとに、早朝に沢山の人がジョギングをしています。また、物売り、物乞い、ストリートチルドレンも全くいません。しかも大きな交差点には日中ですが、警官がいるので、皆横断歩道を渡っています。交通手段はジプニーやトライクが通行禁止なので、タクシーもしくは徒歩での移動となります。また交差点では必ず車が一旦停車します。ただしGrabなどのライドシェアは今のところ使えませんが。

 幾つかの英語学校エージェントのホームページでも学校の名前は出てきますが、口コミなどの情報もあまりないので、直接問い合わせをすることにしました。この学校は英語を習うということだけでなく、使うことに重点を置いたインターンプログラムに力を入れているようで、詳細なプログラム内容、宿泊先ホテル情報、生徒さんの体験記そして近隣情報など沢山の資料を見ることができました。
 本来のインターンは通常、就職前の若い人が対象であり、私のように会社生活が終わりに差し掛かっているような人向けではないのですが、快く引き受けていただきました。私のリクエストは、朝食ビュッフェを行っているレストランで、できれば日本人経営ホテルでの5日間インターン希望をしたところ、エリア内のサン プラザ スービック ホテルをアレンジして頂きました。

 このサン プラザ スービック ホテルは2014年8月オープン、コンドミニアム併設、サウナ・スパ・ジム・レストラン・バーありで、日本企業の契約宿泊施設となっているホテルです。

 期間は4/29(月)~5/3(金)の1週間で、AM3:00~AM8:00がホテルレストランでのインターン、10時からは学校で英会話2時間のスケジュールでした。初日ホテルで、紹介されたのは日本人のレストランコンサルタントでした。彼は日本の御三家といわれるホテルで長年修行をして、イタリアなど各国のレストランで働いた経験をもつプロフェッショナルな方です。初日は早朝の研修はなく、午後に研修の内容や日本で建設中のホテルの話などの打ち合わせや、情報交換をおこないました。事前に学校の代表である中沢さんに、自分の簡単な経歴と職歴を送付し、何度かメールでやり取りを行ったおかげで、研修場所と内容にはミスマッチは全くありませんでした。研修先のホテルはバーと併設のため、24時間営業で全員フィリピン人のスタッフが交代勤務で行っています。彼ら彼女らにすると日本から私のようなオジサンがOJT(現地では皆、研修の事をこのように言っていました)で、しかも1週間しか居ないことが不思議らしく、毎日しかも全員に沢山質問を受けたのは少なからず、英語の上達にもなりました。
 
 さて研修内容ですが、1つ目は朝食ビュッフェの準備で、調理補助(パンケーキ作り・コーヒーのドリップなど)や出来た料理の配置などを行いました。2つ目はキッチンの清掃でフロアのブラシ掛け、モップでのふき取りなどを行いました。3つ目は席に着くお客さんの注文とりで、内容は卵料理(オムレツと中に入れる具の内容、目玉焼き、スクランブル)、パンケーキ、ワッフル(ワッフルメーカーを使います)のリクエストを聞きます。最後に買い出しで、これは朝の5時にゲートの外にあるローカルマーケット2か所で、1日分の生鮮3品の購買をコンサルタント、現地ドライバーと一緒に行いました。この日買ったのは、マンゴー・リンゴ・メロン・豚肉ブロック・エビ大小・玉ねぎ・カラマンシ(柑橘系でカクテルに使う)・レタス・唐辛子・インゲンなどそれぞれ1~2kg単位で、価格はマンゴーMで1個30円、バナメイエビ大で800円/kg位と日本の価格の3~4分の1と非常に安いです。尚、ローカルエリアなので、冷凍や冷蔵でパックされた食品などは物流網が無い為、価格が非常に高く、すべて素材から手作りで調理をしており、買ってきた素材はすぐに調理できるように、小分けやカット等をして、冷蔵および冷凍にしてストックしていました。日本でのように市場には行かずに、業者に配達を頼む事もできるようですが、品質の確認という概念がフィリピン人同士ではなく、廃棄が多くなるので仕入れは日本人コンサルタントが行っているとの事でした。ビュッフェ料理は長期滞在者が飽きないように、毎日日替わりで提供し、宿泊者の国籍比率により、多少アレンジしていました。

 スービックには日曜日到着でしたので、この日の夕食は中沢さんとサンミゲールビールを飲みながら、近くのなんちゃって日本食レストランで楽しい1夜を過ごさせていただきました。また、水曜日の夜は中沢さんの呼びかけで、学校の生徒さん全員で学校近くの韓国レストランに行き、焼き肉をたっぷり頂きました。この時、学校にはGWを利用して30代の日本人夫婦が英語を勉強しに来ていました。今回空港から学校までの往復は送迎を使わずに、自力で行ったのも良い経験になりました。

 最後に題名に社会科見学と書いたのは、何もインターンが若い人だけのものでなく、いくつになっても出来るということを非常に感じたからです。また、規則や決まりごとの多い日本と比べ(そこが良い所でもあるのですが)大らかで細かい事は気にしないフィリピンの人たちと交わるというのは、単なる旅行ではできない貴重な体験ではないでしょうか。また中沢さんのご尽力のおかげで、様々なリクエストにも応じていただき、誠に感謝しております。通常の英語学校には出来ないことをこれからも、ここで提供し続けてくれることをお願いし、結びにしたいと思います
以上最後までお読みいただきありがとうございました。