40歳で初めての語学留学、スービックで体験!!

語学留学を決めた訳~留学前

 学生の頃からの英語嫌い。そして米国人も多い沖縄に住み沖縄のホテルで働いているとはいえ、所属するセクションではそれほど英語の必要性が無かった私は、大学を卒業以来、英語の重要性を感じてはいたものの、とても熱心に勉強するという事はありませんでした。

 そんな私が語学留学を考えたのは、前職と同じホテル業への転職を考え始めた時です。外国のお客様が増えている中、予約のやり取りをする上で、ある程度は自分で対応できる英語力と度胸が必要だと考え、初めて“英語が話せるようになるにはどうすれば?”ということを真剣に意識しネットでの検索を始めました。その際に“フィリピンなら短期留学が比較的安い価格で可能”ということが分かり興味を持ち、40歳にして初めて英語の環境に自分の身を置いてみたいと思ったのです。

 フィリピン・留学、で検索すると出てくるのは多くがセブ島の学校でした。そして、留学の為のエージェントも色々と出てきます。そもそも留学やフィリピンのことについて全く知識がない私は選択肢の多さに驚き、どこから選択すれば良いのかわからずとても困ったのですが、先ずは私の留学でやりたいことの優先順位を決めるところから始めました。

私の優先順位は

・とにかく英語に慣れたい(特にTOEICにこだわっているわけではない)

・ホテルで働く際にゲストからの予約等を英語で受け答えできるようになる

・海外旅行に行く際には旅先で簡単な英会話ができるようになりたい

・エージェントを介さないなら日本人が経営しているところ

そして、安全で落ち着いているところ

・10代や20代前半の若者比率が高くない学校

ということでした。

 ネットで学校案内やクチコミなどを調べ進めていくうちに2~3校に絞られていき、その中でもスービックにあるiYES Language schoolに興味を持ちました。

 iYESの代表の中沢さんと直接メールを送りやり取りをしていく中で、しっかり対応頂き安心して過ごせそうだと感じたのでiYESに11月~1月迄の3か月間お世話になることに決めました。

他にもiYESに決めた理由としては

・経営者が日本人であり、HPやパンフレットがしっかりしている

・元アメリカ軍基地の跡地にあるということでアジア特有の雑然とした雰囲気ではない上に治安が良いらしい(景色が私の住んでいる沖縄に似ている)

・英語の先生に対する口コミ内容が良い

・スービックはリゾート地でもある上にホテルへのインターンシップを行っている

・近くに海があり、学校からも近いので勉強に疲れた時にリラックスできそう

・スービックは関空⇔クラーク便があり、しかもクラーク空港からスービックまでは車で約1時間。

・近くに飲食店が沢山ある

 などがありました。

 ホテルでのインターンも可能だということで、中沢さんとメールでやり取りをし、授業内容として①1ヶ月半6コマのマンツーマン授業 →②4週間のホテルインターン(午前中の2コマは授業)→③残りは6コマのマンツーマン授業が決まりました。

 今回の留学を決めた際、私の回りにはフィリピン留学をした人はいなかった為、夫や友達、元同僚にもとても驚かれ心配されました。フィリピンの事はあまり知られていなく、治安が悪そうなど良い印象が無かった為です。

 しかし、幸運なことに私が留学を決めた際に沖縄で仕事をしているフィリピン人の方に出会い、その方の出身がクラークだったので近くのスービックのことも良く知っており安全で良い街だということ、大きなショッピングモールも近くにあり生活には困らないこと、そしてフィリピン人は優しくて陽気であるということ、沖縄にどことなく似ている、などの話を聞き私の不安はまだ行ったことのないフィリピンへの期待に変わっていきました。

フィリピンへ出発~スービック到着

 関空から4時間、クラーク空港に到着。時差は日本と1時間、思ったより日本に近いなというのが到着後の感想です。そこから迎えの車に乗り約1時間でiYESが入っている建物に到着、私が3ヶ月滞在する部屋は同じ建物内にある1室でした。

 中沢さんとの事前やり取りの中では、日本とは環境が違うので日本のような快適さは想像しないでくださいと聞いていた為に不安でしたが思った以上に広く、キッチン付き、ベッドも広く日当たりも良く快適でした。シャワーが水に近いぬるま湯だったり、トイレットペーパーは基本的にトイレに流せないなどはありましたが、少し不便なだけで生活に問題は無かったです。ただ、部屋に関してはどれも同じという訳ではなくそれぞれの部屋のオーナーによって内装が違うとのことです。

授業

 到着の翌日9時から授業がスタート。初めに英語力のテストを受け、どのレベルの教科書で学んでいくのかなど、私の要望も取り入れて頂きながら授業スケジュールが決まりました。1コマ50分、6コマの授業の内、文法2コマ+リーディング2コマ+Be My Guestというホテルについての教科書を使った2コマの授業をすすめてもらいました。6コマすべてマンツーマン、もちろんすべて英語。話を聞くのも伝えるのも必死。いつも授業が終わるころには放心状態でした(笑)。

 先生方は明るくフレンドリーでスマホを使い画像を見せてくれながら説明してくれたり、わからない言葉があると、違う単語に置き換えて丁寧に教えてくれました。色々なタイプの先生がおり話題も豊富な為、楽しく授業を受けることができました。発音も聞き取りやすく、ゆっくり話してくれるのでマンツーマンでの授業は質問もし易く英語に慣れるのにとても良かったです。でもそのような説明でもさえもわからない時もあり、自分のボキャブラリーのなさと若い頃のような記憶力のなさにショックを受ける毎日でした。

 予習と復習時間は基本的には夕食後の1時間、朝の2時間を取っておりました。その他の授業としては近くのショッピングモールでその場にいる一般人に声を掛け、質問をしてみるというストリートレッスンも体験しました。フィリピン人は皆優しく、最初は照れていても丁寧に教えてくれたのが印象的でした。

 他にもインターンシップ後の授業では先生方がゲスト役、私がフロント担当ということ実際のホテルでの受付のロールプレイングをしてもらいました。それは私の想像の遥か上をゆくロールプレイングで、誰がゲスト役なのかわからないくらいに先生が入れ替わりでゲスト役をしてくれ、途中からは電話での問い合わせも入ってくるなどでかなりのパニック状態となりましたが、教科書通りの進行だけではなく、想定外の質問が来たときなどの対応やそのような中で相手に伝えることの大変さなどを体験できたことは、自分の足りないところを気付かせてくれ良かったと同時に、説明する言葉が出てこないことで悔しい思いをしました。

 その後は改善点や良かったところなど先生方にフィードバックいただき、後日それをふまえ再度ロールプレイングをしてもらいました。その時には前回よりも良くなっていると褒めてもらい嬉しかったです。またiYESでは毎週、授業内容や生活についての面談を中沢さんと行っていたので、要望も伝えやすく常に私に合った授業を考えもらっているところに安心感がありました。

インターン体験

 スービックでの生活も1ヵ月半が過ぎた頃インターンが始まりました。私の希望内容はホテルのバック部門や予約を体験をさせて頂くことだったので、先ずはホテルマネージャーの下についてホテルの仕事を知ることから始めました。

 ホテルはそのホテル独自のやり方があります。インターン先のホテルでは私の働いていたホテルとはスタッフの持つ業務内容や役割が全く違うシステムだった為、私に何ができるのか分からずとても戸惑いました。しかし、せっかく外国で働ける機会なので自分にできることを提案してみようと、ホテルホームページやオンラインエージェントの情報変更や追加等の提案を行いました。また、お部屋の料金変更やゲストの伝票の入力をスタッフに英語で尋ねながら行うことができ、少しでも業務に携われたことは良い経験となりました。

 そして、たまには客室清掃などにも入れてもらい、館内の清掃やタオルやシーツを畳みながら若いスタッフと会話し、簡単なタガログ語やおすすめのフィリピンフードを教えてもらったこと、突然お客様からチップを頂いたことは思いがけず嬉しかったです。

 フィリピン人はとても明るく、スタッフが急に歌いだすのにびっくりしたこともしばしばありました。スタッフは皆優しく丁寧に教えてくれるのですが、フィリピン人同士では基本的にタガログ語を話し、こちらから質問すると英語で返答してくれます。どのタイミングで話しかけて良いのか戸惑うことも多かったので、上手くコミュニケーションを取るにはどうすれば良いのか考えることなども含め、インターンは外国で働いてみる良い経験となりました。

スービックでの生活

 生活の面に関しては、部屋や教室はWifi環境が整っており、LINEを使えば日本にいる家族とも簡単に連絡が取れるのでとても便利でした。また、周りに大きなショッピングモールやスーパーもあり、ファーストフードや飲食店も豊富に揃っていたので食べることに困ることはありませんでしたし、滞在中にiYESで出会った生徒さんと授業後に食事に出かけたり、iYESを選ばなければ出会うことの無かった年齢もそれぞれ違う方々から、色々な考え方や体験を聞くことができそれだけでもとても勉強になりました。

 部屋にはレンジやトースター、炊飯器、IH調理器もあり自炊も可能で、料理や飲み水として使用する水も安く購入でき、格安でランドリーサービスも利用できるので不便さを感じることはありませんでした。授業後には運動も兼ねて歩いて10分程のビーチに行き、砂浜を歩きながら綺麗な夕日を眺め、たまにはスービックベイに寄港している大型クルーズ船を見ながらリフレッシュしていました。

 3ヶ月の間には映画館で映画を見たり、日本人の仲間とズービックサファリを訪れたり、インターン先で仲良くなったフィリピン人の子にカマヤンビーチに連れて行ってもらったり、先生にタコスを食べに連れて行ってもらったりとスービックでの滞在そのものを楽しむことができました。また、年末には沖縄から友達も来てくれたので一緒にマニラまでオロンガポからビクトリーライーナーというバスに乗り、片道4時間もかけてマニラ観光に行けたのは良い思い出です。

全体を通して

 3ヶ月の語学留学で私の英語が格段に上達したかと言われると、ヒアリングは以前より出来るようになりましたが、途切れなく会話を続けることは難しいです。授業や現地での生活、旅行などを通して英語に対する恐怖心は薄くなりましたが、なによりここへ来て語彙力が必要なことを大変痛感しましたし、若い頃に比べて本当に記憶力が劣っていることも痛感させられました。

 フィリピンに来る前にもっと勉強して行くべきだったと何度思ったことかわかりません。マンツーマンの授業でもっとフィリピンの文化や政治などについても詳しく聞きたい、そして沖縄のことについても説明してみたいと思っても語彙力が追いつかず先生ともっと会話を深堀して楽しみたかったという気持ちは今でも残ってます。

 ただ、このような気持ちになれたことも今回の収穫で、英語の勉強をしっかり続けていきたいという気持ちがわきました。今回の語学留学では楽しかったこと大変だったことも踏まえて充実した3ヶ月の滞在となりました。